パチンコ過去最大倒産「ガイア」に見えていた予兆 店舗を相次ぎ売却、Jトラストが支援に名乗り

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パチンコホールと取引がある不動産会社の元社員は「数年前、負債が膨らんだガイアができるものから資金化しようと、ホールの底地を売りたいと持ちかけてきた」と明かす。

パチンコ業界には、大手ホールの破綻に苦い記憶がある。2007年、福島地盤のダイエーの破綻を受け、金融機関がホールに対する与信を絞り込んだことによって起きた連鎖倒産だ。しかし、今回のガイアについてはこのような前兆があったことから、「銀行もガイアの破綻は想定内のため、同業他社に対する与信の絞り込みはないだろう」(複数の業界関係者)との見方が多い。

人材面でも支援が行われる見込み

債権者に当たる遊技機メーカーや周辺機器メーカー側も、債権の回収可能性に対する危機意識は薄い。

10月30日の夕方から夜にかけて、ガイアから債権者に送付された文書には、「事業継続に必要な商取引債務についてはお支払いを継続しつつ、(中略)今後も通常どおり事業を行って参る所存です」と記載されている。銀行の貸付金が焦げ付いても、パチンコホールの営業に必要な遊技機や周辺機器メーカーの債権は保たれると解釈できる説明だ。

今後、ガイアはJトラストの支援を受け、ホール事業や従業員の雇用は維持しながら、債権者に対する弁済を進めていく方針だ。Jトラストは消費者金融の武富士やエイチ・エス証券を買収するなど金融業を中心に事業を展開、傘下に遊技機メーカーを抱えていた時期もあった。ガイアには子会社が融資をしたり、店舗用の不動産を貸したりしていた。

ガイアはJトラストとの間で50億円を上限とするDIPファイナンス(破綻企業向けのつなぎ融資)を取り付け、顧問の派遣や従業員の出向など、人材面でも支援が入る見込みだ。

次ページ支援の狙いは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事