2浪大学合格後も「教員試験で2浪」彼が貫いた志 幼馴染がきっかけで障害児教育に興味を抱く

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自分なりに踏ん切りをつけて3年間の戦いを終え、宮城県まで行って住む家を決めて引っ越しの準備を着々と進めていたYさん。そんな彼のもとに、信じられない報せが届きます。

「その日は引っ越し業者から手続きを始める電話がかかってくることになっていたので、電話機の前で待っていました。待機していたら電話が鳴ったので出たら、群馬大学だったんです。びっくりして、なぜだろうと思っていたら、『追加合格です』という連絡でした。後期試験で5人取るコースのうち、4人が辞退したので、その追加合格者4人の1人に自分が入っていたのです。奇跡だと思いました。棚からぼた餅のような感じで信じられなくて、とても嬉しかったです」

こうして引っ越し寸前で大逆転劇を呼び込んだYさんは2浪の末、最後の最後で群馬大学教育学部に滑り込むことに成功しました。

教員採用試験も2浪

Yさんは大学では障害児教育サークルと軽音楽のサークルに入り、充実した生活を送ったそうです。

一方で、小学校の教員採用試験も2浪を経験することになりました。その理由について掘り下げていったところ、大学受験浪人と同様に「勉強不足」が大きかったと言います。

「1次試験は筆記、2次試験は個人面接、集団討論、模擬授業や体育の実技などがありました。障害児教育サークルで学ぶうちにやはりこの分野を勉強したいと強く思ったので、卒業した後に、1年間で特別支援の免許が取れる群馬大学の特別支援教育特別専攻科に進学したいと考えていました。そのため1回目の試験では、そんなに受かる気がなかったんです。当然、1次試験で落ちました」

特別支援教育特別専攻科に通いながら受験をした2回目は、受かる見通しだったようですが、思ったよりも進学した学科での勉強量が多かったそうで、合格することができませんでした。

「専攻科は1年で前期・後期合わせて50単位以上を取る必要があり、かつ教育実習と卒業論文もありました。教員採用試験のほうも大変で、私が受けた当時、群馬県の小学校教諭の試験の倍率が10倍を超えていたのでかなり合格が難しかったんですね。だから落ちたのですが、大学受験のときと一緒で、自分の中に甘えがあって合格までの必要量をやりきれなかったから受からなかったんです」

教員採用試験でも2浪に突入したYさんは、今までの反省を生かします。専攻科を卒業してからは、大学の附属の特別支援学校で非常勤講師の仕事をこなし、夕方から短期集中で勉強を重ね、3回目の受験で教師になる夢を叶えました。

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