国連が決定!「管理職の5割を女性化」の衝撃

「2020年までに女性3割」では遅い?

日本の場合は、政治分野における女性の進出が遅れていて、現状、国会議員に占める女性割合は10%未満ですから、たとえば、クオータ制(特定のグループに一定割合の議席を割り当てる)は最初の一歩として有効です。

経済分野については、ノルウェーで役員の4割を女性にする、と決めた法律があります。政府が提案し、当初、財界は反対していました。思い切った政策に見えますが、政府のやる気が重要であるとわかります。

ケアワークを愛情の問題で済ませる日本

――日本でも女性活躍を本気で推進するには、何が必要だと思いますか。

ケアワークに対する認識を変え、必要な政策を作ることです。家事や育児や介護を、愛情というオブラートに包んだ支配・従属関係で、女性に無償でやらせるのが当然という発想では、女性活躍は進みません。

本気で女性が働くことを望むなら、男性が家庭責任をシェアするのも当然ですし、家事外注、保育園、ベビーシッターなどが必要なのは当然です。こういう仕事をタダで女性がやるという思い込みこそが、女性活躍を阻んでいるのですから。

――先生ご自身が、1950年代、1970年代にアメリカで学び、当時の社会を変えていた、女性解放運動を目の当たりにしています。グローバル人材の先駆けであり、女性活躍の最前線に立ってきました。

私は1950年代後期、高2のときに、アメリカの新聞社主催のワールド・ユース・フォーラム(WYF)の日本代表に選ばれました。父の勧めで応募したのですが、今、振り返ると、父によるHe For Sheだったかもしれません。

ニューヨーク滞在中、CBSテレビがWYFのために設けたパネルに出た私の発言を聞いた、ある女子大の学長から声をかけられ、奨学金を得て、アメリカの女子大に進学したのです。女性解放運動に接したのは、その頃でした。

1960年代は東京大学の大学院で農村社会学を専攻していました。当時の日本を理解するためには、農村を理解する必要があったからです。その後、家族社会学を専門に研究するようになりました。家族を研究すればするほど、性別が基本にあることを実感します。家父長制的な家制度も、近代家族も、原理的には同じ。男性と女性が結び付き、女性は無償でケアワークを担う。この構造は変わりません。

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