「岩井の胡麻油」、8代目社長の挑戦とは? 伝統製法による胡麻油を地道に製造
第1回目はこちら:虎屋は常に新たな挑戦を続けている
岩井社長「移転を機に原点から再構築」
――岩井の胡麻油は150年以上の歴史を持っている会社ですね。
1857(安政4)年千葉県の佐倉で創業し、当時は菜種を中心にいろいろなものを扱っていたようですが、明治時代に入りまして胡麻油に傾注しました。ブランドゴマを中国から輸入し、ゴマを中心に搾油業を営んできました。そのためには港町の立地がいいだろうということで、1893(明治26)年に横浜に工場と本社を構えました。
横浜の開港記念会館に昔の地図がありますが、それを見ると「岩井製油」と書いてあります。以来、横浜で121年続けています。商工会議所から「創業百年会員企業顕彰」などもいただきました。化学的製法や添加物をいっさい使用せず、香味抜群な胡麻油を作ってきました。
10年前に再開発事業があり、本社と工場を現在の神奈川区橋本町に移転しました。それまでは「良いモノを作れば売れる」と良質な製品にあぐらをかいていて、営業努力を怠り、業績が低迷していたのです。移転を機に原点から再構築しようとプランを作りました。制服なども変えたり、社員に対しても式典でのあいさつ、工場の案内、説明の仕方などを訓練したりと、そうした意味でもいいきっかけになりました。
――岩井社長は何代目ですか。
8代目です。私は伊勢丹に34年勤務して2001年に岩井に戻りました。伊勢丹ではシンガポールに5年、パリに5年いたほか、イタリアファッションブランドの日本法人社長を3年務めました。2005年から岩井で社長をしています。
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