あの青いゴミ箱のルーツは「肥桶」だった 雑誌タイプの社史を読んでわかったこと

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社史を作る上で参考になるような社史とは?(写真:Graphs / PIXTA)

いろいろな企業から「どんな社史にしようか、迷っている」と相談されることがあります。図書館員として、できることに限りはありますが、私は社史室で「そのイメージだったら、こういう社史もあります」など、ヒントや参考になりそうな社史をご覧いただいたりしています。

最近多いのは「雑誌みたいな社史を作りたい」という声です。ビジュアルでわかりやすく、平易な内容で読みやすい社史をイメージされているのでしょう。

そうした際に、よくおすすめする1冊は、矢崎化工が60周年を記念して2013年に刊行した『60YEARS BOOK』です。オールカラーで92ページです。

ゴミ集積所の青いバケツ、当初は肥桶用だった

私は同社について何の知識もなかったのですが、ぱらぱらとめくっただけで、「こういう製品を作ってきたのか」と瞬時に知ることができました。そして、興味深い製品や内容も多く、ついつい読んでしまいます。制作者の意図にはまっているのでしょう。

矢崎化工の「万能桶」

私の住んでいる横浜市では、ほとんど見掛けなくなりましたが、家庭用のゴミ集積所に置かれていた、フタの着いたポリエチレン製の大きな青いバケツってわかりますか。

この製品は、昭和30年代に、同社が得意にしていたプラスチックの大型成形技術を活かして製品化されました。当初は、肥桶を想定していて、振り分けで担ぐことを前提に、2個セットでの販売でした。しかし、思ったようには売れず在庫が増えていきます。

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