日本の学校で詳しく教えない「黒人30万年の歴史」 世界各地、多数の民族にまたがる壮大な歴史

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1957年にはガーナが独立を果たした。以後もアフリカには続々と黒人国家が生まれた。アメリカでは1954年に「ブラウン対教育委員会」裁判で画期的な判決が出て、学校教育における人種隔離を解消する道が開かれた。

まだ戦いは続く

黒人の歴史: 30万年の物語
『黒人の歴史: 30万年の物語』(河出書房新社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

それでもまだ、奴隷制と植民地支配が残した負の遺産は解消されていない。差別は続き、黒人たちの戦いも続いている。黒人少年を殺した白人男性が無罪放免となったことに端を発する抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大事だ)」は、あっという間に世界中に広まった。なぜか今も世界中で、黒人が不当な扱いを受けているからだ。本書でも、そうした不公正の数々に光を当てていく。

だがそれだけではない。私たちは本書で、黒人の輝かしい歴史をこそ語りたい。黒人が今の世界にどんな影響を与え、どう変えてきたか。以下、私たちはそれを誇らしく描く。

科学的に存在するのはヒトという種族のみ。
人種は人工的で社会的な概念にすぎない。

トニ・モリスン(アメリカの黒人作家、1931~2019年)
もはや植民地ではない、今日からの私たちは自由で独立した民だ。
クワメ・エンクルマ(ガーナ初代大統領、1909~72年)
ネマータ・ブライデン(編集顧問)

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米ジョージ・ワシントン大学教授(歴史、国際関係)。専門はアフリカ人、とりわけ世界各地に拡散するアフリカ人の研究。アフリカだけでなく欧州各国や旧ソ連に滞在した経験もある。著書に African Americans and Africa: A New History など。

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