上場企業で社内賞・昇進も退職、38歳で再入社の訳 上場企業から婚活ベンチャーへ…得た学びとは

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「オンライン婚活パーティーやZoomを活用した企画、動画を活用したマッチングアプリなど、経営陣と一緒に施策を考えていました。実際、オンライン婚活なんかは、物珍しさもあってNHKさんなどから取材されて。でも、やっぱり、恋愛や婚活って直接会ってナンボの世界なんですよね……。業績への打撃も大きく、次第に自分の給与にも見直しが入るようになりました」

青木さんがこの会社で働いた2019年から2021年秋頃にかけて、新型コロナの収束は見えていなかった。一方、給与は目に見えて減っていく。さらに子どもが生まれるなど、プライベートにも変化が生まれた。

「自分のキャリアを育てたい気持ちと同じぐらい、ワークライフバランスも大切にしたいとも思うようになって、スタートアップならではの多忙な働き方をすることも難しくなってしまって……」

C&R社に出戻り入社

ともあれ、当時多くの人が人生の判断を左右されたのと同じように、青木さんも同社を退職。2021年11月にC&R社に出戻り入社することになった。

「夏の終わり頃に会社を退職することを決意し、C&R社時代の上司に連絡をしました。『転職することになりました。もし可能ならC&R社に戻りたいと思っています』と、素直に伝えました。すると、『じゃあ、まずはうちを受けてみようか。それがダメだったら他の会社もみてみるのがいいんじゃないかな』と提案してくれて。人材紹介のエージェントとして転職支援をしている人なので、元上司と部下という視点ではなく、いち転職者として、フラットに相談にのってくれました」

幸いにも、順調に出戻りの話は進んでいった。

「何人かと面接という形で話をして……『そうかそうか、ようやく戻ってくることになったか!』と笑ってくれる人たちがいたり、前から戻ってきてほしいと声をかけ続けてくれていた人事部長とも話しました。唯一、配属想定の部署の方とは一緒に仕事をしたことがなかったので、しっかりと面接をしました」

これほどまでに話がスムーズに運んだのは、退職時にかけてもらった言葉だけでなく、C&R社ならではの「人材循環」の考えがあるようだ。

「うちって、退職時に社長(現在の会長)と面談するんです。もちろん僕も面談をして……そのときに、『いつでも戻ってきたらいいよ』『まぁ、1年後にまた会って話そう』と声をかけてくれていたんです。なので、実はC&R社を退職した翌年に一度社長と会っていて。そのときも『戻ってきなよ』と声をかけてくれました。でも、まぁ、その頃は前職で奮闘していた時期でしたし、戻るとしても10年後くらいかな、なんて考えていたので、丁重にお断りしましたが……。いざ出戻りの話をしたときは、社長に『外の空気はうまかったか?』『もう出るんじゃねえぞ』と言われましたね(苦笑)。

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