「まだできない?」と叱る親に教えたい"人生時計" 「子どものうちに」仕上げる必要はどこにあるのか

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子どもの欠点を「子どものうちに直さなくては」と思う親は多いようですが…(写真:tomcat/PIXTA)

子どもの育て方や教育で悩んでいる親御さんがたくさんいます。本当は楽しいはずの子育てが、なぜ、そうなってしまうのでしょうか?

理由はいろいろあると思いますが、小学校の教師として23年間教壇に立ち、その後教育評論家として活動する中で気づいたことは、子育てを長い目で見られなくなっている人が多いということです。

「子どものうちに」と焦る親たち

たとえば、多くの親御さんたちは次のように思っています。

・小さいうちにだらしがないのを直さなければ
・今のうちに整理整頓のしつけをしなければ
・忘れ物が多いのを直さないと大人になってから困る
・マイペース過ぎて困る。このまま大人になったらどうしようもない
・食べ物の好き嫌いは今のうちに直さなければ
・短所や苦手は子どものうちに直さなければ
・人に迷惑をかけない自立した子にしなければ
・早いうちに“勝ち組路線”に乗せなければ
・将来のために子どものうちに能力を伸ばさなければ

これらに共通しているのが、「子どものうちに……」という思いです。その思いはよくわかるのですが、実はこれが子育ての苦しさに繋がっていると考えられます。なぜなら、こういう思いが強いと必然的に子どもを叱ることが増えてしまうからです。

それによって子どもは自己肯定感が持てなくなりますし、親に対する不信感や愛情不足感も出てきてしまいます。また、叱ることで親自身の自己肯定感も下がります。

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