「まだできない?」と叱る親に教えたい"人生時計" 「子どものうちに」仕上げる必要はどこにあるのか

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人生は長いのです。大器晩成という言葉もあるように、子どものときは冴えなかったけど大人になって大活躍した人たちはたくさんいるのです。本連載でも以前紹介したように、例えば、坂本龍馬、岡本太郎、北原照久、水木しげる、本田宗一郎、黒柳徹子などもそうです。

幼少期に「冴えない子」の意外に明るい未来

また、『佐賀のがばいばあちゃん』の著者で漫歳師の島田洋七さんは、子どものころ勉強ができなくて、成績表には1や2ばかり並んでいたそうです。でも、それを見たおばあちゃんが「足せば5になるだろ、人生は総合力」と言ってくれました。そのおかげもあってか、島田洋七さん成人してから漫歳師や作家として大活躍しました。

私の同級生や知人を見てもそういう例があります。Y君は勉強がぜんぜんできなくて、特に数学は全くできませんでした。1/2+1/2=1ということを理解したのが、中学3年生のときだったと本人が言っているくらいです。そんな彼が今ではIT関係の企業を5つ経営する社長です。

M君は子どものころとてもだらしがなくて先生によく叱られていました。彼の持ち物は教室にたくさん落ちていましたし、忘れ物も多かったです。でも、成人してからは一流の技術者として立派な仕事をしています。

親が近視眼的になって焦る必要はない

みなさんの身近なところにも、このような例は必ずあると思います。あるいは、自分自身がそうだったという人もいることでしょう。大器晩成という言葉は昔からあるのですから、昔からこういうことはよくあったのです。ですから、子どものときから優秀でなくても大丈夫です。

今現在わが子のしょうもない姿を目の前にして悩んでいる人には、ときどきこの人生時計を思い出してほしいと思います。そして、長い目で見るようにしてください。そうすれば過度に焦る必要はなくなります。

もちろん、親として子どものためにできることはしてあげてほしいと思います。でも、焦って結果を求めることなく、冷静かつ俯瞰的な視点を持ちながら行ってください。

親が近視眼的になって焦ってしまうと、今の目の前にある問題が実態以上に大きなものに見えてしまいます。あたかもこれが人生を決定づけてしまうかのように。そうなると何事もうまくいきませんので、繰り返しますが、人生時計を意識して長い目で臨んでください。

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親野 智可等 教育評論家

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おやの ちから / Chikara Oyano

長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。ブログ「親力講座」もぞくぞく更新中。講演のお問い合わせとメルマガ登録は公式サイトから。Xで毎日発信中。

 

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