「パリピ孔明」が実写化されるのも当然な時代背景 「劉備か曹操か」世相を映す鏡としての三国志

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『パリピ孔明』が映す現代社会の願いとは(写真:naoki/PIXTA)
なぜ「無敵の人」が増え続けるのか、保守と革新は争うのか、人間性と能力は比例するのか。このたび上梓された『武器としての「中国思想」』では、私たちの日常で起こっている出来事や、現代社会のホットな話題を切り口に、わかりやすく中国思想を解説している。
同書の著者で、中国思想研究者である大場一央氏が、TVドラマ「パリピ孔明」が人気を博している理由を読み解く。

奇想天外なタイトル

『武器としての「中国思想」』の書影
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『パリピ孔明』(原作:四葉夕卜、漫画:小川亮)が実写ドラマ化されたという。

さまざまな二次創作に慣れた三国志ファンといえども、この奇想天外なタイトルには、驚いたのではないだろうか。

かくいう筆者もまた、同年代の三国志ファンがそうであったように、小中学校時代には横山光輝『三国志』を読み、光栄(現・コーエーテクモゲームス)の「三国志」シリーズをプレイし、吉川英治『三国志』に耽り、さらに進んで、ちくま学芸文庫の正史『三国志』をめくっていたことから、ドラマに先立つこと4年前、原作マンガのタイトルを見た時は、面食らった。

しかし、いざ手に取ってみると実に面白い。むしろ、孔明を通じて日本社会が求めているものが、よく表現されているとすら思った。そのことについて少し書いてみたい。

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