「ベースボールアカデミーは女の子の入会も可能ですが、せいぜい数人で、なかなか『女性のファンづくりにたどり着けていない』という感触を持っていました。ライオンズではブルーレジェンズが試合でダンスパフォーマンスをしているので、彼女たちが講師として女の子を中心にダンスを教えられないかと考えました。今は所沢と東大宮で、ダンスの動きの基本から教えています。対象は野球より広くて3歳から中学3年生までが通っています。
コンセプトとしては『将来のブルーレジェンズを育てよう』ということになります。ダンスを学ぶ女の子たちの憧れの対象になればいいな、と。今は100人ほどがレッスンを受けています。ダンス自体が小学校で教えるようになったり、習い事でも上位に入ったりしているので、事業としても有望だと思います。彼女たちは野球を始めるわけではありませんが、ライオンズに興味を持ってもらうという意味では、ベースボールアカデミーと同じです」
地域密着で長期的にファンを作っていく
たまたま取材をした7月16日は、ダンスアカデミーの発表イベントがあった。3歳から中学生までのアカデミー生が、特設ステージでダンスを披露した。また、試合前中のダンスタイムにも、ブルーレジェンズのお姉さんと共に精いっぱいのパフォーマンスをしていた。
プロ野球の球団と言えば、チケットを売って球場にお客を集め、食品やグッズを販売するビジネスを展開する「興行会社」というイメージが強い。
事実、その事業に専念している球団もあるが、一方で、西武ライオンズのように、地域に密着したCSR事業を通じて、すそ野を拡げ、長期的にファンを作っていこうとする球団もあるのだ。
プロ野球の球団も「地域に根差す一企業」であり、地域との関係性を抜きに存在できないということなのだろう。
「こうした事業を行う背景には、やはり野球のファンの脆弱化が進んでいるという認識があります。少子化もありますが、サッカーなどいろんなスポーツ分野の『ライバル』が増えてくる中で『野球を選んでいただけなくなってきている』という認識があります。少子化はわれわれでは何ともしがたいですが、それでもファンのすそ野を広げていく努力をすべきだ、という認識で、地道に事業を推進していきます」
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