「1つはL-FRIENDSの活動の原資を作るという意味合いです。もちろんアカデミーの収益だけで回っているわけではありませんが、一般的にCSR(企業の社会貢献)事業というのは、会社の業績が悪化するとカットされることがあると聞きます。それを防ぐ意味でも部門内で極力採算をとるようにしています。
そしてもう1つはファンの醸成ですね。野球を通じて、ライオンズファンを作っていきたい。ベースボールアカデミーは、所沢のほか、埼玉県内5カ所でレッスンをしています。小学1年から中学3年まで学年で分かれていて、小学校は軟式、中学は軟式・硬式の両方です。小学校4年以上にアドバンスという、もっとうまくなりたいお子さま用のコースを設けています。
他球団のアカデミーの多くは、どこか他のチームに所属していて、よりうまくなりたいからアカデミーに入る子が多いんです。いわば『野球塾』ですが、当社のアカデミーはそうではなくて、ベースボールアカデミーだけで野球をしているお子さまが2~3割いるのが特徴です。
アカデミーは2011年から始めていますが、野球経験がまったくないお子さまが入って、ずっとアカデミーだけで野球をする、野球がうまい子供を作ると言うより、野球を好きな子供を作るという考え方なんですね」
初歩の初歩から丁寧に根気よく教える
ベルーナドームの室内練習場では、アカデミーに通う小学生が、元プロ選手の指導で打撃や守備の練習に打ち込んでいた。
筆者は元プロ野球選手のアカデミーコーチが、埼玉県内や群馬県内で、小学生を対象とした野球教室をするのをたびたび取材しているが、小さな子供たちにボールを投げたり受けたりする初歩の初歩から丁寧に根気よく教えている。
単に野球を教えるのではなく、「野球好きを醸成する」というライオンズの基本姿勢がにじみ出ている。
さらに、昨年10月から始めたダンスアカデミーが人気となっている。
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