10月酒税改正、ビール各社「チューハイ」強化の訳 キリン、サッポロが相次いで新商品を投入

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2022年の販売数量は約2億4600万ケースと、この5年間で約32%も増加した。家飲み需要の落ち着きや一部ヒット商品の減速で前年比では微減となったが、酒類の中で数少ない成長カテゴリーといえる。

対照的なのが、新ジャンルだ。その課税移出数量は2021年以降大きく減少している。

酒税改正で新ジャンルから流入

これは2020年10月に行われた酒税改正が影響している。この時も今回と同じようにビールが減税、新ジャンルが増税された。その際、チューハイの税額は据え置かれており、それによって、一部のユーザーが新ジャンルからチューハイに流れたと見られている。

実は今回の酒税改正でも、チューハイの税額は据え置きのまま。3年前と構図は同じだ。各社がチューハイ強化に動く背景には、需要の拡大に加え、こうした酒税改正の影響がある。

市場の変化を捉え、サッポロビールもチューハイの拡大を狙う。

同社は、9月12日に新商品「サッポロ クラフトスパイスソーダ」を発売。キリンと同様、高まる「食中酒」ニーズに着目した。「食事に合う」だけでなく、コリアンダーや生姜といったスパイスを用いることで、「食事を引き立てる」食中酒を目指した。

サッポロはチューハイでは後発。常務執行役員の武内亮人マーケティング本部長は、「(チューハイに強い)サントリーやキリンのようになりたいとは思わないが、市場で異彩を放つ存在を目指す」と語る。

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