名店の味「再現力」で勝負挑む冷凍ラーメンの進化 市場の伸長で商品開発競争が激しさを増している

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

冷凍ラーメンと一口にいってもその形態はさまざま。大まかには以下の4タイプに分かれます。調理方法や特徴が異なるので、選ぶ際に参考にしてみてください。

キンレイ「お水がいらない横浜家系ラーメン」(左上)、テーブルマーク「らぁ麺やまぐち監修 まるぐ 鶏コクラーメン」(右上)、ローソン「天下一品監修 ラーメン」、(左下)吉祥寺武蔵家「家系MAX」(右下)(写真:筆者撮影)

①一体型(左上):スープ、麺、具材が一緒になったタイプ。スープはストレートタイプで水を足さず、調理は鍋に入れて加熱するだけと1工程で済む。麺がのびにくいよう、スープ、麺、具材を、3層構造にして凍らせてあるのがポイント。保管にスペースが必要で、価格は少し高め。

②具付き麺+濃縮スープ(右上):具付き麺は電子レンジ加熱、スープは液体濃縮スープをお湯で溶かすタイプ。調理に少し手間はかかるが比較的簡単。濃縮スープはストレートに比べてやや味のレベルは落ちるものの、近年はそのレベルも上がっている。価格は手ごろな価格のものが多く、具なしのシンプルなものもある。

③トレー入り(左下):ここ最近、主にコンビニで登場したタイプ。トレーにスープ、麺、具材が入っていて、電子レンジだけの調理で、器も要らず洗い物も不要のため手軽に食べられる。非常に簡便だが、製造やトレーにコストがかなりかかるので、内容量は少なめにして売価を抑えていることが多い(電子レンジでの加熱時間も長くなりすぎるので、その意味でも量は少ない傾向にある)。

④生麺、具材、スープ、すべてバラバラ(右下):お取り寄せ商品に多いタイプで、生麺、スープ、具材が全部バラバラになっている。麺は生麺のため沸騰したお湯でゆでる、ストレートスープは別の鍋で袋ごとボイル、具材も加熱または冷蔵庫解凍が必要な場合もあり、調理は非常に手間がかかる。ただし、味は最もラーメン店の再現度が高く、クオリティがほぼ同じ商品もある。値段は高めで1食1000円近くするものが主流。

進化が止まらない!冷凍ラーメン

先述のように、大手冷凍食品メーカーが2023年秋冬向け新商品として発売した商品の中で、冷凍ラーメンは注目カテゴリーです。新商品の傾向は有名店とのコラボや、まだ全国的には認知度の低い知られざるご当地ラーメンなどが揃い、既存品との差別化をはかるなど各メーカーの工夫がうかがえます。筆者注目の商品を紹介しましょう。

・マルハニチロの魚介系ラーメンの有名店コラボ

昨シーズンに続く有名店コラボ第2弾。東京の「麺魚」とコラボした「麺魚 鯛だしらーめん」です。同店で人気の「真鯛らーめん」を再現し、鯛の旨みをぎゅっと凝縮した存在感のある特製スープ、全粒粉入り自家製麺にこだわり、アクセントに炙った白身魚をトッピングするのが特徴。同社が強みを持つ水産物でのコラボで、非常に完成度が高くなっています。

マルハニチロ「麺魚 鯛だしらーめん」(写真:筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事