「小児医療」家族の葛藤伝える漫画家の切なる思い 漫画「プラタナスの実」が挑んだ答えのない問い
小児科医を題材に漫画を描いた理由
──医療に携わる人物を題材にした理由について教えてください。また、たくさん診療科があるなかで、なぜ小児科医にフォーカスされたのでしょうか?
東元俊哉(以下、東元):もともと、医療ものには(読者としても)興味はなく、自分が医療を題材に漫画を描くという発想はありませんでした。編集の方から「小児医療の漫画描いてみませんか?」と誘われて、それがこの漫画を描くきっかけになりました。
僕には小さい子どもがいて、小児科は身近な存在でした。また、家族をテーマに何かやりたいと考えていたので、題材としてぴったりだと思いました。
──小児科医や医療現場について、執筆する前、執筆中、執筆後でどのような気持ちの変化がありましたか? また、どんな点を意識しながら描かれていきましたか?
東元:この漫画を描く前も描いてる間も不安しかありませんでした。医療について知らないことが多すぎました。それに加えて、コロナがはやり始めて取材がなかなか十分にできなくなってしまいました。本当を言うと僕は取材を目的に1カ月間入院したかったくらいなんです。
それでも足りないだろうと思っていましたが、そんな中でもたくさんの方々にご協力いただき、お話を聞くことができました。
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