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「小児医療」家族の葛藤伝える漫画家の切なる思い

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──鈴懸家や病院を破滅へ導いた黒田氏。息子の優希が吾郎の病院で治療をすることになりましたが、今までの背景を知ってもなぜ治療を継続したのか。また、治療を進めるうえでの気持ち変化についてどのようなことを意識して描かれましたか。

東元:患者側は病院を選べても、病院側は患者を選ぶことはできません。しかし何かを理由に優希君をほかの病院へ移すことはできたかもしれません。吾郎も最初は優希君をほかの病院へ移そうと考えていたし、英樹もそうでした。でも吾郎は治療に自信を失くした息子たちを見て、医師としての姿勢を正しました。病院長としてというよりは、父親として息子たちの見本になろうとしました。

いろいろなキャラクターの考えや思いなどあって、描いていて忙しかったのですが、患者である優希君の気持ちはしっかり描こうと思って進めました。

それぞれの成長でようやく実った「実」の姿描いた

──黒田家の登場によって、鈴懸家も過去と向き合い、過去に囚わらず、気持ちが変化していった印象がありますが、どのようなメッセージがありますか?

東元:人は過去に逃げたり、目を伏せたりしがちです。でも前に進むためには、過去と向き合う必要があるのかもしれません。やはり反省ができなければ人は成長できませんよね。吾郎もそれがあってこれだけ人が変わったと思います。

ただ鈴懸家も表面上はハッピーエンドになったようには見えますが、あくまでも表面上です。ここから新たに鈴懸家も始まるので。僕の中では北広島市にそれぞれのキャラクターが今でも生きています。

──最後は、黒田家は定食屋を、優希は医療の道、ともりんは活動を復活して優希とも再会。鈴懸家も家族とのつながりを見直すなど、それぞれが前進しているような印象を受けますが、一筋縄ではなかったと思います。東元先生がこの場面で伝えたいことはどんなことでしょうか?

東元:作中ではそれぞれのキャラクターの本当のその後を描いていません。例えばともりんの復帰ライブの様子も描かれていなくて、真心も相変わらずで、キャラクターそれぞれがその後どれだけの活躍を見せるのかはわかりません。

でも、誰でもやり直すことができるということです。

最終回を読んで、どうしてここで終わってしまったんだと思う方も多くいるかもしれませんが、この漫画で描いたのはようやく実った「実」の姿というわけです。今後は芽が出て成長していくはずです。

この場をお借りして、取材協力していただいた方々や、応援してくださった読者の皆さんに心から感謝いたします。ありがとうございました。

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