専門医が指南、肝臓を傷めにくい飲酒法「9のコツ」 飲酒上限量が低い人はストロング系を避けよう

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【飲み会編】

(5)乾杯は瓶ビールにする

乾杯の定番はビールの中ジョッキですが、1杯で純アルコール量14g程度を飲み干すことに。それを瓶ビールにしてシェアしながら飲むと、チビチビ飲むこともできてアルコール量を減らしやすく、血中アルコール濃度も上がりにくくなります。

(6)コップを空にしない

酒席では空のコップを見ると次の注文をしてくれる優しい人がいるもの。コップには、少量でもお酒を残しておくのもひとつの手です。

(7)合間に水を飲む

血中アルコール度数を急激に上げないためにも、脱水症状を防ぐためにも、特に酒席では水をお酒と同量以上飲むことが大切です。合間に水を挟むことでお腹も膨らみ、飲みすぎ防止効果も高くなります。

(8)割り物は薄めに

ハイボールや焼酎の水割りなどを自分で配合できるなら、自分のドリンクは進んで自分で作りましょう。自作なら薄めに調整して、アルコールを減らせます。さらに糖質を含まない炭酸割りや水割りにすることでカロリー減にもなります。

(9)事前に仲間に飲酒量を減らしていることを伝える

飲み会の前に2次会に行かないことや、お酒を減らしていることを正直に伝えておくのもスマートです。「最近、健康診断の結果がよくなくて…」というようにきちんと伝えておくことで、一緒に飲む人に余計な心配をさせずに済みます。

週1回の休肝日が“飲める貯蓄”を増やす

最後に、休肝日を設けることも大切です。休肝日に意味がないという人もいますが、そんなことは決してありません。休肝日を設けることで死亡リスクが下がるという研究結果も出ています。

休肝日を続けるコツは、曜日で固定せず、月に5日というように達成しやすい方法を選ぶこと。飲まなかった日を記録しておけば、達成感もアップします。アルコールを摂取しなければよいので、ノンアル飲料(アルコール度数0.00%)ならビールテイスト飲料でもOKです。

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お酒を一生楽しむためには、急に180度飲み方を変えるのではなく、少しずつ少しずつ、酒量を減らしていくことです。

目標は上限量を守ることですが、普段それ以上飲むことが習慣になっている人は、まず1日で「純アルコール量20g減らす」ことから始めましょう。

純アルコール量20gは日本酒1合かビールジョッキ1杯に当たります。それができたらもう少し減らし、少しずつ飲酒量を減らしていくと、肝臓の数値がよくなることはもちろん、減量効果も期待できます。また、多くの人が感じているのが朝の“目覚めのよさ”です。

1日を快適に始めることができれば、ストレス耐性もつき、お酒への依存も少なくなって、さらにお酒を減らしやすいという好循環が生まれますよ。

楽しくお酒を飲む時間は、豊かな人生に欠かせない大切な時間です。ぜひ、一生お酒と付き合える飲み方を身に着けてください。

尾形 哲 肝臓外科医

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おがた・さとし / Satoshi Ogata

長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。『肝臓から脂肪を落とす食事術』(KADOKAWA)は現在9刷。また、オーディブル版も発売中。

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