長野県の佐久市立国保浅間総合病院「スマート外来」では、患者の8割が3カ月で約5㎏の減量と、脂肪肝の改善に成功しています。
著作の『肝臓から脂肪を落とす』シリーズが累計6万5000部を突破し、指導する食事メソッドにより多くの患者を減量に導いている肝臓外科医・尾形哲氏がこの度、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』を上梓。本書から一部抜粋・再構成してお届けします。
筋トレ効果がアルコールで台無しに
「脂肪肝」が増加傾向にある中で、筋トレや運動に励んで健康維持を目指す人もいらっしゃると思います。基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼させるには筋肉が欠かせませんが、年齢を重ねるにつれて筋力は低下しますから、筋トレの心がけは大変すばらしいことです。
ただ、筋トレで汗を流した後に「ビールで乾杯!」するのは、せっかくの運動効果をムダにするもったいない行為です。運動後に飲酒をすると、筋肉の合成が妨げられることがわかっています。
筋トレをすると筋肉の合成を高めるスイッチとなる「mTOR(エムトール)」という酵素が細胞内で働き、タンパク質の合成を盛んに行います。それによって筋肉が増強されていくのです。しかし、この増強中に飲酒をすればmTORの作用が抑制されて、筋肉の合成率が3割程度減るという研究結果が出ています。
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