家族が大反対!「スタートアップ転職」説得のコツ 5年タームでシナリオを描いて家族と「交渉」

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あなた自身、そして家族にとっても、そもそもは日々良い顔をして仕事をして、良いモードで生きられることが大切だ。

子どもがいるのであれば、スタートアップに挑戦する親の姿を通して、挑戦することへの意義を示し、社会に「知らない悪」が広まっていること、そして未来をみずから切り開くことの大切さも含めて伝えられたのなら、とても素晴らしいことだと思う。

それも親の役回りであり、手渡せることの一つではないかと、僕は考える。また、今は家族がいない人でも、転職前に3〜5カ年計画を見てみることはすすめたい。

「30歳からの5年間はこのスタートアップ、その後の5年間はCxO(Chief x Officer)になっていたらそこで働き続けて、そうでなければ別のスタートアップに行くか大企業に戻る」というように5年タームで考えてみると、転職にも臨みやすくなる。

終身雇用の大企業の延長で「一生、転職先のスタートアップで働く」と思うから、転職を大げさに考えて怖くなってしまうのだ。これからの人生で「知らない悪」を乗り越えたあなたは、転職を複数回していくことは当たり前の選択となるだろう。

改めて、にはなるが、家庭P/L・B/S・キャッシュフローの作成は、あくまでスタートアップ転職に対しての一側面でしかない。

それらをはっきりさせることで、シミュレーションを行って、今後起きうるパターンを確認することは有効だと思うが、それだけが可能性のすべてでもない。ただ、これらの取り組みは、不確実な未来の可視化につながるはずだ。

住宅ローンをどうするか

もう一つ、転職の際にネックになるものといえば、住宅ローンである。

まず住宅がどうしても欲しい人は、大企業を退職する前に住宅ローンを組むべきだ。いまだ残念なことに、スタートアップに転職するとローンを借りられなかったり、条件が悪くなったりする恐れがある。

ただ、2023年5月末に、きらぼし銀行と株式会社MFSが連携し、スタートアップの役員・社員向けの住宅ローン商品の提供をスタートさせた。

現在の収益よりも成長性が考慮されるため、赤字企業であることの多いスタートアップであっても審査対象になるだけでなく、転職して1年未満であっても審査可能だという。こういった新サービスの利用も検討してみる価値はあるだろう。

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