家族が大反対!「スタートアップ転職」説得のコツ 5年タームでシナリオを描いて家族と「交渉」

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トップのスタートアップ群は、一般的な中小企業とはまったく異なるため、給与水準もアップしている。いずれにしても、現職であなたの実力が発揮され、評価された年収が妥当なものであれば、同様の条件の提示を受けることも珍しくなくなってきた。

要は、実力に見合えば、それなりの給与水準を出してくるはずだ。

だが、まだまだ「知らない悪」がはびこる日本では、家族や友人などのスタートアップに対しての理解がない場合は、危ういイメージを持たれてしまうこともあるだろう。

そこで、作成した家庭P/L・B/S・キャッシュフローで「転職の経済合理性」を説明しながら、時間軸を直近1年間ではなく、5年ほどの期間に延ばして説得をしていこう。

スタートアップに転職する場合、一生涯を同じ企業で過ごすことは少ないはずだ。上場しているテック企業の平均勤続年数が4年強のため、一度は5年で期間を区切る。企業にもプロダクトやビジネスのライフサイクルがあるため、その5年間をベストなサイクルに当てていく。

家族の説得も「交渉」だ

たとえば、以下のように問いかけてみよう。

「現職だと給与報酬が700万円×5年で3500万円。スタートアップに行くと600万円×5年で3000万円。でも入社から5年後に上場したら、スタートアップならキャピタルゲインが5000万円近く入る可能性がある。どちらのほうがいいだろう?」

会社の事業計画と同じように、楽観シナリオ、標準シナリオ、悲観シナリオを作り、5年後のみずからのポジションや企業価値に応じて、どう家庭P/LやB/S・キャッシュフローが変わるかを家族に示すのも一案だ。

不安を抱える家族を本気で説得したいのであれば、これくらいの努力は必要になるだろう。そうすれば、当初は反対していた家族をうまく説得でき、応援さえ得られるかもしれない。

パートナーにあなたがまず伝えるべきことは「自分は今後、もっとやりがいに燃えていきたいから、もし良いオファーがもらえたら、一緒に判断してほしい」と最初に共有しておくことだ。

転職活動の結果も共有することで、パートナーにも転職活動を間接的に体験してもらい、ともに進めるように動いていく。家族にとっても大事な選択だから、常に共有しながら動くことだ。

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