太陽光や風力発電は脱原発の受け皿となれるか、新エネルギーへの期待と課題

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太陽光や風力発電は脱原発の受け皿となれるか、新エネルギーへの期待と課題

「原発に代わって、ぜひ今後の日本のエネルギー供給の基盤を担ってください」--。

3月11日以降、太陽電池メーカーなどで構成される団体、太陽光発電協会には、そんな激励のメールが次々と届くようになった。「こんなことは、今までになかったことです」。同協会の亀田正明氏は興奮ぎみに話す。

東日本大震災は、電力・エネルギーに対する日本人の価値観を大きく変えてしまった。それは、原子力発電への決定的な不信と、太陽光や風力といった新エネルギーに対するこれまで以上の期待である。環境セミナーなどを運営するイーズ社が震災後に行った調査によれば、日本人の72%が、30年後の電力供給に占める原発の割合を減らすことが望ましいと回答。他方で、新エネルギーの普及拡大を望んでいる。

企業も消費者の変化を敏感に察知し、対応策を積極化する。住宅大手の大和ハウス工業は、リチウムイオン蓄電池と太陽光発電を連携させた非常用の電源装置を4月1日に発売。わずか5日で約200件もの問い合わせがあった。

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社会はもはや、石油や石炭、原子力といった従来型のエネルギー源へ逆行できないように見える。しかし現状を冷静に眺めれば、新エネルギーが日本の発電量全体に占める比率はわずか1%にすぎない。対する原子力発電は約30%もある。種々雑多な新エネルギーの中で、本当に原発の代替となるほどの有望なものはあるのだろうか。

発電コストが比較的安く、世界全体で最も導入が進んでいる新エネルギーは風力発電だ。国際エネルギー機関(IEA)は、2020年以降の世界導入量は原子力を上回ると予測している。デンマークのように電力需要の20%を風力発電で賄っている国もある。

日本で風力発電を効率よく運営できる風況を有するのは、北海道・東北地方に集中する。環境省や風力発電協会による潜在的な風力発電の導入可能量は、原発を代替できることはもちろん、日本の全発電設備容量の数倍にもなる。

電源別の発電電力量シェア


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