正真正銘の「論破王」孟子が実は超現代的な理由 古典の教養がないことは「致命的な弱点」になる

拡大
縮小
孟子は、『論語』などで有名な孔子の教えを発展させた思想家として知られている(写真:naoki/PIXTA)
なぜ「無敵の人」が増え続けるのか、保守と革新は争うのか、人間性と能力は比例するのか。このたび上梓された大場一央氏の『武器としての「中国思想」』では、私たちの日常で起こっている出来事や、現代社会のホットな話題を切り口に、わかりやすく中国思想を解説している。
同書を『日本思想史新論』などの著書があり、政治経済思想を専門とする評論家・中野剛志氏が読み解く。

瞬殺される古典不要説

昨今、教育改革が議論されるたびに、古典の必要性が論争になる。

『武器としての「中国思想」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

例えば、「ひろゆき」こと西村博之氏は、自身のX(旧ツイッター)で「古文・漢文は、センター試験以降、全く使わない人が多数なので、『お金の貯め方』『生活保護、失業保険等の社会保障の取り方』『宗教』『PCスキル』の教育と入れ替えたほうが良い派です。古文漢文はやりたい人が学問としてやればいいだけで必須にする必要ないかと」と投稿していた。

古典など学んでも、何の役にも立たないというわけだ。

だが、そんな俗説を、大場一央氏著の新刊『武器としての「中国思想」』は瞬殺してしまう。

次ページ『キングダム』の時代に登場した「諸子百家」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT