「新自由主義大政翼賛」から転換する方法はあるか 「民主的多元主義」による経世済民の復活可能性
消え失せたアメリカン・ドリーム
自由な社会では、誰にでも平等なチャンスが与えられており、努力次第でいくらでも社会的階級を昇ってゆくことができる。才能や運などによる制約はあるとしても、かつての身分制度のように、階級が固定化することはない。
私たちにとって、この発想はなじみ深いものです。いわゆるアメリカン・ドリームは、その最も有名な例でしょう。アメリカは自由の総本山なのだから、生まれた階級による束縛などありえないという次第。
1920年代の有名なギャング、アル・カポネまで、こう語ったと伝えられます。
「わがアメリカの制度は、みなに平等なチャンスを与える。それをつかみとろう」
「のんびりやろう。干渉や束縛なしに、好きに生きようじゃないか」
しかし現在、アメリカン・ドリームは根底から崩れています。貧しい階級に生まれたら最後、のんびりどころか、一生あくせく働いても浮かばれないくらいに、階級の固定化が進んでいるのです。



















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