「右と左」ではなく「上と下」の対立が問題な理由 「新しい階級闘争」を回避し民主主義を守る思想
「リアリズム」と「経済ナショナリズム」
マイケル・リンドという思想家の名は時折耳にしたことがあり、興味も持っていたが、うかつにも、これまで彼の著作を読んだことはなかった。
だが、今回、本書『新しい階級闘争』の解説を依頼されたことを契機に、本書を含む彼の著作に触れた。
そして、本書の解説を依頼された理由を知ることとなった。というのも、リンドの思想は、私がこれまで展開してきた主張と、ほとんど同じであったからだ。
たとえば、リンドが2015年にナショナル・インタレスト誌に寄稿した「アメリカのナショナリズムの擁護(The Case for American Nationalism)」 に目を通してみよう。
この論文の中でリンドは、冷戦終結前までのアメリカの戦略を支えてきた戦略思想を擁護する。



















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