エヌビディア「AI用チップ」で圧勝するまでの軌跡 単なるチップ以上の価値を生み出している

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この取り組みによって(同社は10年間で300億ドル以上の費用をかけてきたと見積もっているが)、エヌビディアは部品サプライヤー以上の存在になった。主要な学者やスタートアップとの協力に加え、同社は言語モデルの作成や訓練などのAI事業に直接参加するチームを作り上げた。

エヌビディアは、AIの専門家が必要とするものについて事前に警告を発し、CUDA以外の主要なソフトウェアを何層にも分けて開発した。その中には、プログラマーの労力を軽減するライブラリと呼ばれる、あらかじめ組み込まれた何百ものコードが含まれている。

コンピューター全体の販売も開始

ハードウェアにおいてエヌビディアは一貫してより速いチップを数年ごとに発売するという評判を得た。2017年にはGPUが特定のAI計算を処理できるよう調整することを始めた。

同年、エヌビディアは例によってチップや他企業のシステム用の回路基板の販売をしていたが、AI作業をより効率的に実行するコンピュータ全体の販売も開始した。

そのシステムの一部は現在、専売のネットワーク技術と無数のGPUを用いて組み立てられて動作するというスーパーコンピューターの規模にまでなっている。こうしたハードウェアは最新のAIモデルを訓練するために数週間も稼働することがある。

「こうした種類のコンピューティングの場合は、単にチップを開発して顧客がそれを使用するというわけにはいかない」とフアンCEOはインタビューで語っている。「データセンター全体を作り上げることが必要だ」。

昨年9月、エヌビディアはH100と名付けられた新しいチップの製造を発表し、いわゆるトランスフォーム演算を処理できるように強化した。このような演算は、ChatGPTのようなサービスの基盤であることが判明し、フアンCEOが生成AIの「iPhone現象」と呼ぶものを促した。

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