エヌビディア超絶好決算が示唆する「AIバブル」 大手から新興企業までを巻き込んだチップ争奪

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エヌビディアのフアンCEO
ウォール街の予想を上回る好決算を発表したエヌビディアのジェンセン・フアンCEO。写真は8月上旬新たなチップを発表した時のもの(撮影:Philip Cheung/The New York Times)

ハイテク業界の次の大きなブームが勢いを増していることを示すように、エヌビディアは8月23日、人工知能(AI)システムを構築するために同社が製造するチップに対するすでに熱狂的な需要が急成長していると予測した。

シリコンバレーにある同社の製品はグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)と呼ばれ、人気のチャットボット「ChatGPT」を含む大半のAIシステムの構築に使われている。新興企業から業界大手まで、さまざまなテック企業がGPUを手に入れようとしのぎを削っている。

利益は9倍以上に膨らんだ

エヌビディアによると、クラウドコンピューティング・サービスやその他の顧客からのAIシステム用チップに対する需要が旺盛なため、7月に終了した第2四半期の売上高は前年同期比101%増の135億ドル、利益は9倍以上の約62億ドルに急増した。

これは、5月下旬にエヌビディアが予測していたものよりもさらにいい数字だった。この四半期の売上高110億ドルという予測はウォール街を驚かせ、エヌビディアの市場価値を初めて1兆ドル以上に押し上げる一因となった。

エヌビディアの予測と高額の時価総額は、多くのコンピューティング・システムとそのプログラム方法を変革しつつあるAIを取り巻く高揚感の高まりを象徴するものとなった。また、10月に終了する今四半期のチップ需要について、エヌビディアが次回どのような発言をするのかへの関心も急激に高まった。

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