エヌビディア「AI用チップ」で圧勝するまでの軌跡 単なるチップ以上の価値を生み出している

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エヌビディアが8月上旬に発表した新型チップ「グレイス・ホッパー」は、GPUと自社開発のマイクロプロセッサを組み合わせたものだ(写真:エヌビディア via The New York Times)

神経科学者から起業家に転身したナヴィーン・ラオは、かつて人工知能(AI)用のチップの世界トップのメーカーであるエヌビディアと競争しようとしていた。

ラオは半導体大手のインテルが後に買収したスタートアップで、機械学習などのAIの作業に適した部品であるエヌビディアのグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)に取って代わることを目的としたチップを開発していた。

しかしインテルの動きが遅い中、エヌビディアは自社製品を迅速にアップグレードし、ラオの開発していた製品に対抗する新たなAI機能を備えたものにしていったとラオは語る。

チップ以上の価値があるエヌビディア製品

インテルを去り、ソフトウェアスタートアップ、モザイクMLのトップになってから、ラオはエヌビディアのチップを使用し、競合他社のチップと比較して評価した。彼が気づいたことは、エヌビディアが同社の技術を用いて絶えず開発をするAIプログラマーの大規模なコミュニティを作り上げることで、自らにチップ以上の価値を生み出しているということだった。

「誰もがまずエヌビディアで開発する」とラオは言う。「新しいハードウェアを売り出すなら、追いつくためには競争することになる」。

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