エヌビディア超絶好決算が示唆する「AIバブル」 大手から新興企業までを巻き込んだチップ争奪
エヌビディアの好調な業績は、パソコンやデータセンター用サーバーの需要が低迷している同業他社とは対照的である。インテルは7月下旬、第2四半期の売上高が15%減少したと発表したが、この結果はウォール街の予想を上回った。AMDの同期間の売上高は18%減少している。
一部のアナリストは、エヌビディアのチップやそれを使ったシステムなど、AIに特化したハードウェアへの支出が、他のデータセンターインフラへの支出から資金を引き離していると考えている。市場調査会社IDCは、クラウドサービスがAI用サーバーシステムへの支出を今後5年間で68%増加させると予測している。
調査会社オムディアによると、グーグル、アマゾン、メタ、IBMなどもAIチップを製造しているが、今日、エヌビディアはAIチップの売り上げの70%以上を占め、生成系AIモデルの学習においてさらに大きな地位を占めている。
人気の新製品は2024年まで不足続く見通し
特に、9月に出荷が始まったエヌビディア製のAI用途向け新GPU「H100」の需要が好調だ。このチップは高度な製造工程で製造され、GPUと特殊なメモリーチップを組み合わせた同様に高度なパッケージングを必要とする。
エヌビディアがH100の納入を増やすことができるのは、GPUの製造だけでなくパッケージングも担当する台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)の行動に大きく関係している。
業界幹部は、H100の不足は2024年まで続くと予想しており、新しいGPUを利用したコンピューティング・サービスの販売を希望するAIスタートアップやクラウドサービスにとっては問題となる。
フアンCEOは、TSMCのパッケージング能力を補うために他社とも協力するなど、より多くのチップを市場に投入するために生産パートナーと熱心に取り組んでいると述べた。「今年と来年は供給が大幅に増えるだろう」。
(執筆:Don Clark記者)
(C)2023 The New York Times
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