さて、ここからが本題となります。夏休みから新学期に向けて最も大きな課題となるのは、「休日モードに慣れ切った生活リズムを、いかに早く元に戻せるか」ということです。
土日2日間の休日を終えての月曜日ならまだしも、30〜40日も休日モードであった後の平常モードへの転換ですから、それは容易ではありません。
そこで、必要な対策としては、新学期が始まる前に“助走期間”を作ることだと考えています。
調整は学校が始まる1週間前から
筆者はこれまで多くの子どもたちを指導してきましたが、この時期に必ず伝えていたことがあります。それは、「学校が始まる1週間前から調整する」ことです。
1週間あれば月曜から金曜の平日パターンをすべて予行練習することができます。すると新学期が始まったときにスムーズに新しい生活パターンに移行できます。
さて、以上を前提として伊東さんには、次のような提案をしたいと思います。
もともと学校に行く日は7時に起きていたのが、夏休み中は8時に起きていたとしましょう。それを元に戻すために調整をしていくのですが、残された夏休みの1週間でいきなり、元の7時起床にはしません。新学期に向けて「徐々に近づけていく」、つまり、7時半起床にしていくなどとします。
もちろん、夏休みギリギリまで休日モードで過ごして、学校が始まる日になっていきなり平常モードにすることも可能です。しかし、段階を経ながら身体を慣らしていく方が自然であり、大きなストレスが子どもにかかりません。時差ボケを徐々に解消していくイメージです。
なお、なかなか起床・就寝時間が変えられない場合は、起床時間から変えていきます。すると夜が早く眠くなるため、早寝早起きができるようになっていきます。
学校があるときもゲームや動画は楽しんでいたと思いますが、特に夏休みはいつも以上に時間が増えていたのではないでしょうか。
一旦増えた時間を減らすことは簡単ではありませんが、幸いにして学校に行っているときはゲームも動画もできません。ですから学校に行きさえすれば自然と時間は減り、平常モードに戻っていきます。さらに学校が始まったら、夏休み中とは異なるルールになることを子どもは暗黙の了解として理解していると思います。
したがって、ゲームや動画についてはこれまで家庭で決めたルール通りに進めていくことをお勧めします。夏休みが終わるまでの残り1週間で時間調整することなく、規定通りに進めていくということです。
もし、夏休み中にもかかわらず、徐々にゲーム・動画時間を減らすことや、学校がもうじき始まるという理由で夏休みルールを突然破棄することを親が一方的に行うと、親子の信頼関係が崩れていく可能性がありますので注意が必要です。
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