米国の学者8人、「私なら70年談話をこう語る」 アジアの平和のために何を語るべきか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

<ヘンリー・ローウェン>

Henry S. Rowen ●スタンフォード大学 フーバー研究所シニアフェロー、フリーマン・スポグリ国際研究所シニアフェロー。専門分野は米国・アジアの国際安全保障、経済発展

今年は第二次世界大戦終戦70周年の年です。日本にとって、この期間は平和な年月であり、日本人も他国の人々も、この事実をありがたく思ってきました。我が国民の才能と意欲は、経済等の社会的目標のため、他国の人々の利益のためにささげられてきました。

歴史の紆余曲折をより長期間にわたって見てみましょう。1868年の明治維新は、国家の近代化をもたらしましたが、一方では軍国主義精神を高揚し、残念なことに日本を攻撃的な帝国主義国家にしてしまいました。

我が国は、他国の人々に甚大な被害をもたらし、その後、過ちを重く受け止め償いをしてきました。数百万の日本兵や市民が命を失い、東京を始めとする日本中の大都市は壊滅的な打撃を受けました。日本は今でも世界唯一の被爆国です。その経験から、我々は地球上から核兵器を廃絶するために努力を続けています。

これらの悲惨な出来事は、今となっては遠い昔です。日本は模範的な世界市民となりました。民主主義国家であり、貿易大国でもあります。発展途上国への経済援助では世界第2位であり、国連平和維持活動にも、カンボジア、モザンビーク、ゴラン高原、東ティモール、ハイチなどにおいて、大きく貢献しています。我が国は、必要とあらばさらなる貢献を惜しみません。

過去の侵略に対して日本に謝罪を続けるべきだと言う国もあります。日本が正しい道を歩み続けることを保証するために警戒はつねに必要ですが、我々は過去70年の実績と、健全な民主主義制度を見てもらいたいと思います。さらに言えば、我が国を批判する側も、自国のふるまいを省み、それが他国にどのように見えるのか、自国にももしかしたら謝罪すべきことがあるのか、自問してみるべきでしょう。

今世紀は、アジア諸国が重要な役割を果たしていく世紀であり、日
本もその動きに全面的に参加するつもりです。

他国と協調して生きる未来を我々は望みます。

次ページダニエル・スナイダー アジア太平洋研究所副所長
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事