米国の学者8人、「私なら70年談話をこう語る」 アジアの平和のために何を語るべきか

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<ピーター・ドゥス>

Peter Duus ●スタンフォード大学 日本歴史学名誉教授、フーバー研究所シニアフェロー。専門分野は日本帝国史、日本近代史

1945年8月15日は、世界にとって計り知れない歴史的重要性を持つ日となりました。多くの国々にとって、それは戦時の死と破壊の恐怖からの解放の日でしたが、日本にとって、それは目覚めの日でした。15年近くの間、日本国民は自国の存続のために戦っていると考えていたのが、苦しみと屈辱しか得ることのない、侵略と領土拡大の無謀な戦争に身を投じていたのだと初めて気づいたのです。

誤った判断と間違った理想によりこの戦争をもたらした指導者たちは、国際裁判において正当な法の裁きを受けました。日本政府はその判決を受け入れ、その立場は70年近く変わっていません。指導者たちの戦争責任が裁かれ、我が国民も誤った政策を完全に否定した今でも、我々は人間として先の戦争に対する深い自責の念を感じ、また改めて歴史に残した爪痕に対する後悔の念を捧げます。

我々は、日本国内および海外におけるすべての犠牲者、戦闘で亡くなった若い兵士や船員、命や家族を攻撃や空爆によって失った罪なき市民、強姦や略奪、人体実験の被害者、野蛮に残忍に取り扱われた戦争捕虜や強制労働者、そして今日においても戦争による身体的、精神的な傷によって苦しみ続けているすべての人々のために、悲痛の念を表さずにはいられません。

悲惨な戦争体験の結果、日本国民は平和の価値を学びました。近隣の国々との協調の中に生きるという我が国の長い歴史的伝統は、わずか半世紀の植民地・軍事拡大によって中断されましたが、我々はまた改めてその伝統を受け入れたのです。我が国の憲法は、国際紛争を解決するための武力の行使を放棄しています。我が国の政府は、他の国々との意見の不一致や紛争を、平和的外交と対話を通じて解決しようと努めます。そして日本には、徴兵制もありません。

当然ながら、日本も他国同様、敵対的武力攻撃を受けた際に、国民と領土を防衛する普遍的権利を有します。日本はこうした攻撃を退けるための、陸上、航空、そして海上自衛隊を維持しています。しかし、これらの部隊は、平和維持活動のためにしか海外展開しません。国の安全を守る最も重要な防波堤は、軍事的優位性ではなく、アジア太平洋地域の近隣の国々との信頼と友好であると理解しているからです。

日本国民は国を愛し、自国に誇りを持っています。しかし、日本国民が誇りを持つのは、戦争をしていた国ではなく、戦後の荒廃から見事に立ち直った国です。厳しい努力、決意、そして、軍事増強よりも経済発展へ注力したことによって、日本国民は、日本という国を世界で最も繁栄し、安定した社会のひとつにしました。その知恵とたゆまぬ努力により、人々は物質的、文化的に発展してきたのです。

また、日本国民は、アメリカ合衆国やその他のアジア太平洋地域の近隣国のようにかつての敵対国であった国々を含む多くの国々から戦後長年にわたり差し伸べられた、欠くことのできない支援と援助に感謝しています。そして我々は、全世界の平和と繁栄のために、世界中の国々に同様の支援と援助をすることによって、恩に報いることができることを誇りに思います。

未来に目を向けますと、平和というこの貴重な恵みを享受し続けることが、私たちの心よりの願いでありますが、過去の重大な過ちを繰り返さないために、戦争の恐怖を記憶し、その記憶を来たるべき世代へと受け渡すことも、我々の義務であると自覚しております。始まったばかりの21世紀、過去に類を見ない複雑な困難が、我々日本国民を待ち受けているのでしょう。しかし、我々は、誤った侵略戦争を二度と起こさないという誓いを忘れることはありません。

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