不溶性食物繊維を多く含む食材には豆類、いも類、穀類、野菜類などがある。水溶性食物繊維を豊富に含む食材は寒天やわかめなどの海藻類、こんにゃくや果物類などだ。食物繊維に加え、納豆や味噌、漬物などの発酵食品も腸内環境を整えるには大切だという。
「昔は夏場によく、ところてんを食べていましたが、夏は汗をかいて体の水分がうばわれやすく便秘になりやすい。海藻類のところてんは便秘予防に効く食材。昔からの生活の知恵ですね」(平田医師)
食物繊維をたくさん摂るには?
ちなみに、日本人の食物繊維摂取の目標値は成人男性で1日あたり20グラム以上、成人女性で18グラム以上だ。近年、食物繊維の摂取不足が叫ばれているが、この目標値の達成はけっして簡単ではない。
「和食を中心に食べていれば、食物繊維はそれなりに確保できるでしょう。さらに摂取を増やすなら、主食のお米に押し麦や寒天を混ぜるとか、サラダは海藻サラダにする、デザートに寒天ゼリーを食べる、などの工夫をするといいでしょう」(平田医師)
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いまは献立を入力すると食物繊維量や栄養素を自動計算してくれるスマートフォン用アプリも出ている。ぜひ活用しよう。
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痔や便秘予防のために運動習慣や食生活の改善を続けていくと、結果的に糖尿病や高血圧、肥満などの改善や予防にもつながっていく。
また、生活習慣の改善で本来の免疫力を発揮できるようになれば、肛門の粘膜も外部からの細菌やウイルスを撃退し、おしりの状態は自然とよい状態が保たれる。痔は予防できると話す。
「大事なのは日々の積み重ねです。自分の体からのメッセージによく耳を傾けながら、免疫力を高めていきましょう」(平田医師)
(取材・文/石川美香子)
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平田雅彦医師
日本大腸肛門病学会肛門領域指導医。「手術をしないで治す」を信条とする肛門科専門医。1981年に筑波大学医学専門学群卒業後、慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。1985年に社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医となる。現在は、1935年開院の平田肛門科医院の3代目院長。ストレスマネジメント、食事指導、排便イメージトレーニングなど心身両面の生活指導を実施。本来持つ自然治癒力を最大限に引き出しながら、延べ40万人以上の患者を改善に導く。
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