●体を動かす
痔の予防には運動習慣が大切だが、室内でできる運動でも予防効果があるという。
「1日5000歩程度歩くのが理想ですが、室内でできる運動でもいいでしょう。例えば、片足ずつ1歩踏み出して行うスクワット(下のイラスト参照)20回を1日2セット。まっすぐ立った姿勢から、ひざを少し曲げて腰を落とし、ゆっくりとひざを伸ばす軽スクワットを朝晩50回ずつ。それらを毎日行うだけでも全身の血行がよくなり、痔の予防になります。もちろん便秘も改善します」(平田医師)
●座る時間を短くする
平田医師がとくに危惧するのは、座りっぱなしの生活だ。座っている状態が続くと全身の血液循環が悪くなるだけでなく、肛門周りもうっ血して炎症が起きやすくなるため、痔になりやすい。1時間に1回は立ち上がって動いたほうがいいそうだ。
「座る時間は最長でも1時間にとどめ、1時間おきに10メートル程度歩きましょう。時間の経過がわかるように、スマートフォンやキッチンタイマーを1時間にセットして鳴らすのもいいですね」(平田医師)
朝の過ごし方で快便生活を
●便秘を予防する
痔の予防では便秘の予防が必ずセットとなる。便秘が痔を引き起こし、さらに痔を悪化させる要因にもなるからだ。とくに便秘を予防するためには、朝の過ごし方が重要だという。
通常、私たちが朝、目が覚めて布団やベッドから起き上がると、その刺激で大腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まる(起立反射)。さらに、からっぽの胃の中に水や食べ物が入ってくると、その刺激によって腸が動き出し、便が直腸に運ばれて便意を感じる胃・結腸反射を起こす。
「朝は、この起立反射と、胃・結腸反射がもっとも強く起こりやすいときです。起き抜けにコップ1杯の水を飲んだり、ある程度ボリュームのある朝食をきちんと食べたりするだけでも、健康な人なら自然な排便は起こるものです」(平田医師)
朝食を毎日ちゃんと食べない人だけでなく、朝、時間がなくてトイレに座る暇がないという人も要注意だ。
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