【尿酸値】痛風の天敵「プリン体」対策の落とし穴 「ゼロなら安心」とは言い切れない理由とは?

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ビールに多く含まれるプリン体は尿酸値を上げ、痛風になるといいますが、プリン体ゼロのビールだから安心と、飲みすぎていいというわけではないようです(写真:kai/PIXTA)
ビールのおいしい季節、真っ只中。この時期、ビール党が特に気をつけたいのがプリン体の過剰摂取だ。「ビールに多く含まれるプリン体は尿酸値を上げ、痛風の原因になる」といわれるからで、尿酸値を気にして、プリン体ゼロの商品に切り替えた人もいるだろう。
そこで、「“プリン体”と“尿酸値”、そして“痛風”はどのような関係にあるのか」「尿酸値が高いとはどういう状態なのか」など、素朴な疑問について、日本痛風・尿酸核酸学会の理事で、複十字病院膠原病リウマチセンター長の谷口敦夫さんに解説してもらった。

足の親指の付け根などに激痛を生じる痛風。病名に「痛」が入っていることからもわかるように、その痛みは激烈だ。この発作が起こるメカニズムについて谷口さんはこう説明する。

「血液中の尿酸値が高い状態が続くと、関節の中に尿酸が結晶化して塊ができます。この塊が増えると免疫細胞が攻撃するようになり、炎症と痛みが起こるのです」

増加傾向にある痛風患者

2016年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、痛風患者は約100万人。2019年の同調査では130万人程度と年々増加傾向にある。男女比は10対1で圧倒的に男性に多く、年齢は20代から高齢者まで幅広い。

血液中の尿酸値が高い状態は高尿酸血症といって、痛風の前段階であるが、日本生活習慣病予防協会などの推定では、痛風の10倍程度、推定1000万人以上とされる。

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