夏休み「ガミガミ叱る」を減らす!納得の工夫7つ 感情的に叱る親は「工夫」を省略してしまっている

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ランドセル裏に「メモ紙」

B君は学校から体育着や上靴を持ち帰るのを忘れがちでした。そこで、それらを持ち帰る日にはランドセルの蓋の内側に「体育着」「上靴」と書いたメモ紙を貼るようにしました。こうしておけば、学校で帰宅の準備をするためにランドセルを開けるときに、必ず目に入ります。これによって持ち帰るのを忘れなくなりました。

以上、いくつか例を挙げました。ぜひ、各家庭のお子さんの実情に応じて「叱らないシステム」をつくってください。私は教師時代にたくさんの親御さんと接してきましたが、自分の仕事では日々いろいろな工夫をしているのに、子育てや教育についてはただ叱ってすませている人が多いと感じました。ぜひ、工夫で乗り越えるという発想をもって実行してほしいと思います。

たとえうまくいかなくても、こうした工夫をすることにはとても大きな教育的な効果があります。

親が工夫する姿勢をみせることで伝わるものがある

1つは、子どもが親に感謝の気持ちを持つということです。叱ってすませることもできたのに、そうしないで自分を助けるためにひと手間かけてスペシャルな工夫をしてくれたのです。子どもはそこに親の愛情を感じますし、それによって親への信頼感が高まります。

2つめは、親の工夫する姿を見ていると、子どもは「何かうまくいかないことがあったときは工夫することが大事だ」と学ぶということです。これは子どもにとって実に大きな学びです。というのも、人生において工夫することは本当に大事だからです。仕事においてもプライベートにおいても、工夫を重ねることでよい結果が出せるようになるのですから。

逆に、親が工夫することなく叱ってすませていると、どうなるでしょう? 子どもはそれを見て「何かうまくいかないことがあったときは、それを理由に相手をとがめればいいのだ」「キレて叱れば相手をコントロールできる」などということを学んでしまいます。

親はこういうことを教えるつもりはなく、自分から宿題をやったり朝顔に水をやったりできるようにしたいという意図で叱ったのです。でも、多くの場合こうした意図した教育は成し遂げられずに、意図せぬ教育が成し遂げられます。なぜなら、親が目の前で見本を見せているからです。私は、こうした意図せぬ教育のことを「裏の教育」と呼んでいます。

ということで、みなさん、ぜひ合理的な工夫をして「叱らないシステム」をつくってください。ご健闘をお祈りいたします。

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親野 智可等 教育評論家

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おやの ちから / Chikara Oyano

長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。ブログ「親力講座」もぞくぞく更新中。講演のお問い合わせとメルマガ登録は公式サイトから。Xで毎日発信中。

 

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