教育において「ChatGPT」はどんな可能性を持つか 生成系AIと対話しながら学習するようになる?

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チャットGPTとこれからの教育の上手な付き合い方とは?(写真:metamorworks/PIXTA)

生成系AIの「チャットGPT」がリリースされて、間もなく半年になろうとしています。その衝撃は大きく、その付き合い方について各界・各分野で手探り状態が続いています。

子育て・教育の世界も例外ではなく、保護者・学校・教育業界が模索中といったところです。そこで、私も小学校教員と教育評論家の経験を踏まえて、現時点においての私見を述べてみたいと思います。

チャットGPTは情報収集には最適

まず私が使ってみての個人的感想をひと言で言えば、ネット検索に比して効率が何十倍にもなったように感じます。試しに、私は「リビング学習のメリットを活かし、デメリットを減らすために、親はどうしたらいいでしょう?」と聞いてみました。少しずつ表現や条件を変えて似たような質問を何度かしてみました。

得られた回答の多くは、私が「確かにその通り」と感じるものでしたが、中には疑問を感じるものもありました。また、注意点としてとても大事なはずなのに出てこないものもありました。

例えば、「リビング学習に向いているのは?」と聞いてみたところ、「自分で勉強することに興味や関心がある子ども」という回答がありましたが、これには疑問を感じます。また、私がとても大事な注意点として考える「親が近くにいるリビング学習では、『ちゃんと計算しなきゃダメでしょ』などの否定的な言葉で叱る回数も増えやすい」という点は出てきませんでした。

また、全体としてフラットな印象で、熱意の感じられない没個性的な内容だと感じました。自分で書く場合は「これは強調したいので詳しく書く」というものがありますが、そういうものがありませんでした。

私が自分なりに使ってみて思ったのは、情報収集や下書きとしては大いに活用できて効率が上がるということです。でも、それだけでは不十分で、その回答を読んだ上でより深く考えた内容や私自身の経験に基づくオリジナルな見解などを盛り込むことが大切だと思います。そこで思考力や創造力が発揮されるわけです。

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