教育において「ChatGPT」はどんな可能性を持つか 生成系AIと対話しながら学習するようになる?

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いずれは表情や動きのあるVR動画とやり取りするようになるかもしれません。こうなるとオンライン家庭教師に近い感覚です。さらには、AIが搭載されたロボットやアンドロイドとやり取りしながら学習するようになるかもしれません。既に家族型ロボットや介護用ロボットなど親しみの持てるロボットは存在するので、それにタブレットのような画面をつけたものが登場するかもしれません。

こうなればリアルな家庭教師に近づくわけで、ドラえもんがのび太に教えるようなイメージです。これによって、子どもの理解度に応じた学習が可能になります。つまり個別最適化学習です。私の勝手な想像ですが、教育業界ではこうした生成系AIを使ったサービスについて既に研究開発を進めているのではないかと思います。

個別最適化によって、算数・数学が得意な子はどんどん進んで小学生でも高校や大学レベルの学習が可能になります。苦手な子も本人の理解度に応じて、苦痛なく着実に進むことができます。そうなれば、子どもたちは今よりはるかに勉強が好きになり学力も上がるはずです。

生成系AIが生活や仕事、教育を大きく変える

落ちこぼしも吹きこぼしもなくなります。学習指導要領で何年生はどこからどこまで学ぶなどという縛りをかけるのも時代遅れになります。すると、学年や学級の概念も不要になるかもしれません。学校のあり方や存在意義についての議論も必要になるでしょう。入学試験のあり方も変わりますし、学歴偏重も見直されるでしょう。

現在、学校における各教科の授業は大人数の一斉授業が普通です。例えば算数の授業でも、問題の解決方法を子ども同士で話し合ったりしていますが、ついていけない多くの子どもたちはわからないまま長時間座っていなければなりません。これは既にわかっている子にとっても退屈な時間です。AIによる個別最適化学習が実現すれば、こうしたこともなくなるでしょう。

子ども同士の話し合いは、「ごんぎつねの感想を話し合う」「学級の諸課題やイベントの計画について相談する」「貧困や環境などの社会的なテーマについて議論する」などについて行えばいいと思います。各教科の勉強でも、子ども同士の話し合いに意味がある場合は行えばいいと思いますが、そうしたことは少なくなるでしょう。

以上のように、生成系AIは生活や仕事だけでなく教育も大きく変えると思います。これをうまく使うことができるか否かで、生活・仕事・教育において圧倒的な差が出てくるはずです。

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親野 智可等 教育評論家

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おやの ちから / Chikara Oyano

長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。ブログ「親力講座」もぞくぞく更新中。講演のお問い合わせとメルマガ登録は公式サイトから。Xで毎日発信中。

 

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