生成系AIは、先生や親からやらされる勉強ではなく、子ども自身が興味のあることや極めたいと思ったことを主体的に追究していくのにも向いていると思います。なぜなら、そういう場合は、主体的な問題意識を持ってAIと対話しながら掘り下げていけるからです。
このような使い方をすれば、思考力や追究力が育たないどころかより一段と高まるはずです。ですから、これからは知識の量を増やすことよりも、自分でやりたい目標や課題を見つけて追究していく力が重要になります。
次に、生成系AIが学校の授業や子どもの学習にもたらす変化を想像してみます。
生成系AIは「割り算」をどのように教えてくれるか
近い将来、子どもたちは生成系AIと対話しながら学習するようになるかもしれません。既にチャットGPTでもある程度は可能です。説明が難しかった場合、「もっとわかりやすく」とか「5才の子にもわかるように」と言えばわかりやすく教えてくれます。何度聞いても不機嫌になりません。これは子どもにとって非常に大事な点です。
そこで、私はわり算をどのように教えてくれるか試してみました。「わり算を知らない子にわり算を教えて」「もっとわかりやすく」「まだ難しいです。幼稚園の子にもわかるように教えて」「先ほどの説明を漢字を使わないで教えて」というように、4回質問をして、次のような回答を得ました。
『わりざんは、おもちゃをわけることとおなじです。たとえば、あなたが4にんのおともだちとおもちゃをわけるとします。おもちゃは8こあります。それぞれのおともだちにおなじかずのおもちゃをあげたいとします。どうやってわけるでしょうか?
いちばんかんたんなほうほうは、おもちゃを4つのかごにいれることです。それぞれのかごに2このおもちゃをいれます。これで、4にんのおともだちにおなじかずのおもちゃをあげることができます。つまり、8このおもちゃを4にんでわけると、1にんあたり2こになります。これをすうじでかくと、8÷4=2となります。』
この後、「おもちゃの例以外にも例を挙げて説明してください」「8÷4=2以外の例を挙げてください」と質問してみました。毎回文句を言わずに回答してくれました。
チャットGPTは汎用的なものですが、いずれ教育に特化した生成系AIが出てくるのではないでしょうか?そうすれば、より一段と使いやすくなります。また、当面、AIとのやり取りはタブレットなどの画面でテキストを通してだと思いますが、やがて音声でも可能になるはずです。
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