「税は財源じゃない?」100人の島に例えて解説 債務が増えても、国に力があれば危機ではない

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エンを何枚か発行した孫悟空は言います。

「さあ、エンが欲しいだろ? オラの部下として働いてくれる5人には月1エンやるよ」

これを聞いて、住民のうち何人かが立候補し、悟空が面接して5人採用しました。

「米30kg欲しいんだが、交換してくれるやついねぇか?」

これを聞いて、農家の住民が「5エンでいいですよ!」「4エンでどうぞ!」「3エンでもいい!」と声を上げます。

「そこにダムを作ってほしいんだが、やってくれる奴いねぇか?」

これを聞いた技師の住民は「俺は15エンでやるぞ」「うちは11エンで」「10エンでやらせて」と声を上げます。

このように、まず孫悟空が「エンを作り」、年末に孫悟空にぶっ飛ばされたくない=エンを欲しい住民たちは、引き換えとして「労働や財」を差し出します。

こうしてエンは島の人々の間で流通し、貨幣として使われていきます。

流通と価値の変化

やがて孫悟空がエンを作り続けるうちに、みんながエンをたくさん持つような状態になり、

「もう年1エンぽっちの税が払えなくて、ぶっ飛ばされることはない……!」

とみんなが思い始めます。

すると、当然エンの価値は下がっていきます。

以前は1エンで買えたはずの肉も10エンじゃないと買えなくなっていきます。

エンの価値が下がっていく(インフレ)のです。

こういうとき、孫悟空はこう言います。

「増税すっか。次から年100エンな」

このように、エンが出回るにつれて、1エンの価値は下がっていきます。
が、それに伴って税が変わるだけ。なので、孫悟空としてはなんら問題はありません。

「孫悟空にぶっ飛ばされないことの価値」は住民にとって変わらず、その単位を1エンから100エンに変えただけです。

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