シニア狙う「電話使った特殊詐欺」その驚く手口 国や大手キャリアの強化対策で詐欺撲滅なるか

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対策として、不審な電話に出ない・応じないということは大前提である。知らない番号からの着信は、番号をネットで検索してみて、発信元に心当たりがあるか確認してみるのもいいだろう。

不審な電話を自動で遮断する対策もある。例えば大手携帯キャリアでいうと、NTTドコモは「あんしんセキュリティ」、ソフトバンクは「迷惑電話ブロック」、KDDIは「迷惑メッセージ・電話ブロック」という、セキュリティオプションがある。

これらを利用すると、データベースに登録のある迷惑電話が自動的に警告される仕組みだ。特に1人暮しの高齢者などは、「アポ電」相手につい話し込んでしまうことや、不審な電話を受けても相談する相手がいないこともある。テクノロジーをうまく活用し、危険な電話を察知することは有用な対策だといえる。

ただ、新たな電話番号も日々発行されている。すべてを遮断できるわけではないということを念頭に置き、気を緩めてはならない。詐欺にあった人のほとんどが「自分だけは大丈夫」と考えていたと話すという。自分は大丈夫と過信せず、テクノロジーもうまく活用して自分自身や家族を守っていきたい。

それでも詐欺に遭ってしまったら…

冒頭に出たサポート詐欺については、そもそも警告メッセージに慌てない心構えも必要だ。インターネットを利用していて、突然パソコンの画面に「ウイルスに感染しました」といった警告画面が出てしまったら、慌ててクリックしてしまうなど、その先に進んではいけない。

「タスクマネージャー」を立ち上げて、警告が出ているブラウザを選択し、「タスクの終了」をクリックすれば画面は消える。

サポート詐欺
サポート詐欺
(出所:トビラシステムズYouTubeチャンネルより)

 

また、万が一、何らかのソフトウェアをインストールしてしまった場合は、まずは外部からパソコン内部を見られたり操作されるのを防ぐため、インターネットを切断していただきたい。そのうえで、ソフトウェアのアンインストール(削除)をしたほうがいいだろう(手順は以下の画像の通り)。

サポート詐欺
サポート詐欺
サポート詐欺
(出所:トビラシステムズYouTubeチャンネルより)

 

超高齢化社会となった日本では、高齢者を狙う特殊詐欺や犯罪が深刻になっている。行政機関や通信事業者、民間団体などの対策推進や、テクノロジーの活用、個々人での意識の底上げなど、全方位的な対策が求められるだろう。犯罪被害者が減ることを期待したい。

(構成:井澤 梓)

松原 治雄 トビラシステムズ株式会社 取締役 技術部長

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まつばら はるお / Haruo Matsubara

システムエンジニアとして、民間・自治体における業務システム開発、新規サービス立ち上げ、海外でオフショア開発のラボ立ち上げなどを経験。2018 年にトビラシステムズ株式会社入社。同社の取締役 技術部長として、迷惑電話や迷惑 SMS対策等のセキュリティ事業におけるサービス開発・提供に取り組んでいる。

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