「気候変動リスク」に無関心な企業は淘汰される 「世界資源エネルギー問題」は経営の必修知識

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机を挟んで握手をするビジネスパーソン
企業経営においても環境問題や気候変動リスクへの対応が強く求められている中、日本企業がとるべき対応について解説します(写真:KorArkaR/PIXTA)
世界が「カーボンニュートラル」に向かうなか、企業経営においても環境問題や気候変動リスクへの対応が強く求められている。企業は環境問題や気候変動リスクとどう向き合うべきか。
サブテナブル投資に関する第一人者で、環境問題と企業経営について最前線の動向を知る著者が、日本企業がとるべき対応について解説する。

気候変動に向けた枠組みは、過去数年で大きく進展しています。

2015年のパリ協定では、産業革命以降の温度上昇を1.5~2.0度以内に抑えるために、世界の温室効果ガスの排出量と吸収量のバランス、いわゆるカーボンニュートラルを今世紀後半のできるだけ早いタイミングで達成しようという世界全体の目標が設定されました。

さらにそれを前に進めたのは2021年のCOP26で採択されたグラスゴー気候合意で、各国は1.5度を目指すという強い意志を全面に出しました。パリ協定から一度は退出したアメリカは2021年に協定に復活。中国は2060年、インドは2070年にカーボンニュートラルの目標を設定しました。

困難な目標に立ち向かう日本

日本も2050年カーボンニュートラルの達成、2030年には温室効果ガスの46%削減の目標を発表し、岸田政権は今後10年間に、官民協調で150兆円規模の投資を目指すことを表明しています。

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こうした動きと並行して、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)といった財務数字には反映されない企業の取り組みに注目して投資先を選ぶESG投資は増加しています。

企業の間でも、ESG要因を戦略や事業に取り入れ、情報開示を進める動きがみられます。プライム市場に上場する企業は、2022年度から、気候変動に関連して、TCFD基準に沿った開示が求められています。TCFDとは「気候関連財務情報開示タスクフォース」の略で、気候変動リスクの開示を推進する国際機関です。TCFDに賛同する日本の企業、団体は2023年6月で1344社に上り、世界最多となっています。日本企業が気候変動のリスクを重要視していることがわかります。

今後は、現在の計画をどのように具体化させ、実行していくか、に焦点が移っていくことになりますが、その道のりはかなり厳しいものになるでしょう。

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