まず最初に、コストコのアメリカ本社が公開している決算状況を見てみよう。
・商品収益:222,730百万ドル(≒31兆円)
・会員費収益:4,224百万ドル(≒5914億円)
※1ドル=140円として計算
上記合計で、総収益226,954百万ドル(≒32兆円)だ。この総収益を稼ぐため労務費はどうなっているのだろうか。
そこで「販管費及び一般管理費」を見ると19,779百万ドル(≒2兆7690億円)となっている。収益に対する販管費比率は8.7%となる。これは異常に低い値だ。
コストコvsウォルマート
なお、「販管費及び一般管理費」は労務費だけを指さない。付随する共通設備の減価償却費、光熱費やクレジットカードの決済手数料、ECサイトの運営費、等々が含まれている。
しかしながらコストコもアニュアルレポートのなかで、主には「労務費や福利厚生費(社会保障費含む)」と記しているので、労務費の概算としてこの値を採用しても問題がないだろう。
私はさきほど異常に低いと論じた。では同じくアメリカで小売りジャイアントのウォルマートを取り上げてみよう。
・商品収益:605,881百万ドル(≒85兆円)
・会員費収益:5,408百万ドル(≒7571億円)
上記合計で、総収益611,289百万ドル(≒85兆7571億円)だ。次に「販管費及び一般管理費」を見ると127,140百万ドル(≒18兆円)となっている。収益に対する販管費比率は20.8%となる。
なお、このウォルマートの値を比較すると、なんだかウォルマートが悪く思える。しかし、そんなことはまったくなく、ウォルマートは業界水準にあるといえる。あくまでウォルマートを引き合いに出したのは、コストコの販管費の低さを際立たせたいためだった。
ちなみに、日本のスーパーマーケット有名各社の、売上収益にたいする販管費率を計算すると20~25%ていどとなる。日本のスーパーマーケットと、グローバルに展開するコストコ、ウォルマートと単純に比較はできないが、こう見てもコストコの販管費の優位性が感じられるはずだ。
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