飲食店がコストコ並みの時給にできない最大の訳 さらに人手不足に陥る悪循環に陥っている

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飲食店が並ぶ風景
飲食店がアルバイトなどの時給を上げられない理由は?(写真:まちゃー/PIXTA)

会員制の卸売小売店のチェーン「コストコ」が時給1500円で求人を募集し、群馬県の地元企業が悲鳴を上げているニュースが話題となっている。その中で、あらためて外食業界の時給の安さと人手不足の深刻さが浮き彫りとなった。

群馬県の飲食店のアルバイトの時給は、県庁所在地の前橋市をはじめ、高崎市、伊勢崎市を中心に時給1000円を超えるところが多い。最低時給では採用ができないということが常識となっており、県内の最低賃金の895円は超えている。しかし、コストコが募集する1500円には遠く及ばず、人材の獲得競争をする上で、かなり不利な立場に立っているのは事実だ。

群馬県に限らず、現在多くの飲食店が人手不足に苦しんでいるが、事業構造的にアルバイトの時給を上げることがなかなかできていない。しかし、時給を上げることができないがゆえに、人が集まらないという悪循環に陥ってしまっている。

加えて、コロナ禍ではアルバイトを解雇した飲食店も少なくないうえ、新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、他の業種で働く決断をしたケースも目立つ。そうした人たちが外食業界に戻ってきたかというと、そういうわけではない。

それでは、外食業界の人手不足はどれほど深刻なのだろうか。それが分かりやすく示されたのが「吉野家」の西新宿8丁目店の例だろう。

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