●広報戦略が奏功し、ニトリが5位に大躍進
異彩を放っているのはホームセンター大手のニトリだ。昨年の19位から今年は5位へと大躍進した。全国で店舗展開している知名度の高さだけでは説明できない人気ぶりだ。ニトリは本社が北海道にあるから、北海道大学で3位と高いのは理解できる。しかし東北大(28位)、東京大(23位)、慶応大(14位)、早稲田大(32位)、名古屋大(11位)、京都大(30位)、大阪大(11位)、九州大(14位)と今回の調査大学すべてで満遍なく支持されている。
同社は22期連続増収増益という超好業績だが、支持の理由では「経営者・ビジョンに共感」(22.7%)と「社風がいい」(21.3%)が高く、支持の背景には「仕事を通じて社会貢献」という広報戦略が奏功していると考えられる。
もう1つの特徴はJTBのランキングだ。JTBは文系の就職人気ランキングでいつも上位を占める企業だが、今回の調査では31位とそれほど高くない。女性では12位と健闘しているが、男性では71位にとどまっている。同社は、今回調査の旧帝大・早慶クラス以外の学生層での人気が高いということなのだろう。
●男性と女性の差はかなり小さい
図表3:男女別文系人気ランキングTOP20
全学生を対象にした志望企業ランキング調査では、男性と女性でかなり大きな違いが出る。しかし対象が旧帝大・早慶クラスの学生に限られた今回の調査では、違いはとても小さく、上位企業の名前は男女でほぼ共通している。
もちろん化粧品の資生堂、食品の明治グループとサントリー、その他サービスのベネッセコーポレーションとオリエンタルランドは女性に人気の企業として登場しているが、他のランキング調査では順位も企業名もまったく違っているから、驚くほど差が少ないといえるだろう。
●文系の選択理由は「志望している業種」が25.2%と圧倒的
図表4:文系志望理由ランキング
※志望企業1社につき、志望理由を21項目から1項目のみ選択
※志望企業1社につき、志望理由を21項目から1項目のみ選択
旧帝大・早慶クラスの学生はどんな選択基準を持っているのだろうか。21項目の理由から選んでもらったところ、圧倒的に多いのは「志望している業種」だった。他の項目が10%以下だったのに対し、「志望業種」は25.2%に達している。
他の項目は大学によって順位が入れ替わることが多いが、「志望している業種」は今回調査の全大学でトップだった。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら