栗山監督「世界最強チーム作る"伝え方"」10の魔法 この"1文字"が「やる気」「思い」を引き出す!

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【3】「心理的安全性の高いチーム」を作る

こうした横のつながりが、「それぞれが、言いたいことを言い、それが受け入れられる」という安心感、いわゆる「心理的安全性」につながっていきました。

そんな中で、上下の関係にとらわれず、お互いが不安や悩みを相談し合える関係性、質問をし合う、聞き合う文化が生まれていったのです。

たとえば、WBCの軌跡を描いた映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』の中では、村上宗隆選手が、ダルビッシュ選手に、「僕(打席がベースから)離れてるんですけど、気になりますか」などと質問しているシーンがありました。

ダルビッシュに「みんなに教えてあげてくれる?」

【4】風通しがよく、活発なコミュニケーション

栗山監督は、ダルビッシュに対し、「みんなに教えてあげてくれる?」と声掛けをし、ダルビッシュはその言葉通りに、チームの交差点として役割を立派に果たしていました。

ダルビッシュ自身、もともと「年功序列的で硬直的、根性主義的な日本の球界」に異を唱えており、若手とも友人のように気さくに接することに徹したのです。

「ダルビッシュ(有)さんは年下の選手にも同じ目線で話してくれています。そこで僕の意見を言ってまたそれに対する意見をもらったりするので、自分がいつもどういうふうに考えていたのかがわかりました」

ロッテの佐々木朗希投手はこんなコメントをしていましたが、風通しがよく、活発なコミュニケーションが、チームの一体感を作り上げたのは間違いないでしょう。

【5】「ツメ」よりも「ホメ」優先

昭和型のスポーツチームは根性重視、ツメ優先の叱責カルチャーが強い印象がありますが、令和の常勝チームはお互いへのリスペクト、「ホメ」優先がデフォルトです。

「選手を信頼し、勝負をゆだねる」が基本スタンスで、「人を傷つけるとか、恥をさらすようなことは言わない」がダルビッシュの栗山評。

そうした空気感の中で、「あっ、今のめっちゃいい。今のたぶん一番良かった」「素晴らしい」と、ほめ合い、励まし合う文化が生まれていったのです。

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