積水ハウス、客の「感性」刺激で住宅を売る新機軸 住宅販売の最前線で巻き起こる意外な新潮流
異業種ブランドとの連携を打ち出して、感性に訴えるハウスメーカーも出てきた。
熊本県や福岡県が地盤の注文住宅メーカー「Lib Work(リブワーク)」はアパレル大手のアダストリアと提携し、傘下の「niko and…(ニコアンド)」がプロデュースする新築戸建て「niko and…EDIT HOUSE(エディットハウス)」を販売している。
エディットハウスに備え付けられた家具は9割ほどがニコアンドの商品。玄関口のシューズラックやリビングのソファなどはスチールと天然木を組み合わせた、いかにもニコアンドらしい特徴のある家具が設置されている。各部屋のクローゼットは扉や仕切りなどを設けずに、収納している物もあえてオープンにするような開放感のあるデザインを採用する。
モデルハウスの来場者数が通常の4倍に
「ニコアンドは20~30代の若者層に人気のライフスタイルブランド。特徴である無骨になりすぎないインダストリアルデザインを住宅に反映し、ニコアンドのファン層を取り込むことができる。3年前からニコアンドとコラボした住宅を販売してきたが、圧倒的な集客力がある。モデルハウスの来場者数が通常の4倍になった」と、リブワークの難家嘉之執行役員は話す。
戸建ての主要顧客とされる20~30代を中心とする一次取得者層については、最近はネットなどで情報を収集し、住宅を選ぶ際に展示場などに行っても平均して2~3社ほどのメーカーしか見学しない。「耐震や断熱などの性能面は格段に上昇し、いまや住宅のハード面はコモディティー化している。機能面では差別化しづらい。新しい価値が必要」(難家執行役員)。
リブワークの子会社であるリブサービスは2023年5月から、エディットハウスを全国のハウスメーカー・工務店向けにライセンス販売している。加盟店は加盟金と月々の利用料を支払うことで、商標利用による集客ができ、エディットハウスの基本デザイン・素材・設備を踏襲していれば、自由に商品の価格を設定し、受注・建築できる。
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