この路上ライブプロジェクトを推進するのは、東急とタワーを運営するTSTエンタテイメントからなるプロジェクトチームだ。
チームは1年以上前から準備に取り組んでいた。まずは東急の貴島邦彦氏に話を聞いた。
「東急歌舞伎町タワーは“好きを極める”をコンセプトにしているのですが、その中でも若手のアーティストが育っていく仕掛けができないかなということで、このプロジェクトが立ち上がりました。
もちろん新宿南口のことも知っていましたが、もっと大きな枠組みで歌舞伎町自体のブランド価値を音楽の力で上げて、音楽が好きな人がさらに集まってくる街づくりができないかと考えています」
「地域の皆様がどう感じているか」が一番
すでにトー横のシネシティ広場では、歌舞伎町商店街振興組合と一緒に行っている公認路上ライブイベントである「Kabukicho Music Live」を定期的に行い、今年6月からは数度にわたり路上ライブの実証実験を行ってきた。
6月上旬に行われた実証実験では音量の確認や場所、通行の妨げにならないかなど、様々なデータがとられ検証がなされていた。
最初の実証実験では、実際すぐに警察が駆け付けたり、近隣の居酒屋からクレームが入るなどスタッフがその対応に追われていた。
タワーの敷地は東急及び東急レクリエーションの私有地であるがそこから出れば道路となるため、人が溢れ歩行者の通行を邪魔してはならない。
また、タワー内のホテルの宿泊客への配慮はもちろん、周辺ビルの居酒屋やカフェなどへの対応もあり、やはり簡単にはいかないだろう。
「音量も都の規定がひとつの基準になることはもちろんそうなのですが、『地域の皆様がどう感じているか』というのが一番だと考えています。この街を盛り上げていくという意味でも地域の皆様と一緒にやっていくという意識でおります」
同チーム・小野寺響平氏の話からは、タワーが都の音量基準はもちろん、周辺の人々に受け入れられるための路上ライブの環境づくりを目指していることがうかがえた。
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