日銀の植田総裁は静かに闘っているかもしれない 「まったく動こうとしない姿勢」の裏にあるもの

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6月25日には、上期の総決算的なG1レースである宝塚記念が行われる。阪神競馬場の内回り2200メートルの芝コースだ。今回は、本稿執筆時点ですでに枠順が明らかになっている。

衆目の一致する本命は、目下世界レーティング1位のイクイノックス(3枠5番)で、確かにこの馬が強いのは間違いないが、いくつか死角になりうる要素がある。

まず、今年の宝塚記念は「第3回阪神開催の8日目」で、馬場がそれなりに荒れているはずだ。4月に行われた大阪杯(G1)の設定(芝2000メートル)の手前に直線を200メートル足したコースで、助走をつけてゴール前の坂を上るのでタフなレースになりやすい。

しかも、今回のメンバーの特徴は前に行く意識が強い馬がひどく少ないことだ。過去の戦績を表す「馬柱」の、前走位置取りの数字に3番手以内があるのは、大外のユニコーンライオン(8枠15番)、アスクビクターモア(6枠12番)、ディープボンド(5枠10番)に、せいぜいダノンザキッド(2枠3番)の4頭だ。

ユニコーンライオンが内を圧迫しながら先頭に立つのだろうが、とくに内側の枠を引いた馬には長い直線を密集した馬群で位置取り争いに費やすストレスのかかるレースになる。イクイノックスは3枠5番だが、外目の芝が走りやすいコースに出すには苦労しそうだ。

宝塚記念の本命にはジェラルディーナを指名

最後の4コーナーを回ってきたとき、レースの質は「スローな割に上がりのかかる消耗戦」の様相を呈しているのではないか。

本命には、混戦向きの差し脚を持っていて、レースのしやすそうな枠(6枠11番だが、両隣が前目に意識のある馬だ)を引いたジェラルディーナを採る。

イクイノックスが当然対抗だが、ストレスなくやや外前目のポジションを取れそうな前出のディープボンド、アスクビクターモアを対抗とほぼ同格の単穴と考えたい。以下、ダノンザキッド、ジャスティンパレス(5枠9番)、ブレークアップ(7枠14番)が押さえだ。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

山崎 元 経済評論家

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やまざき はじめ / Hajime Yamazaki

1958年札幌市生まれ。東京大学経済学部卒業。経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表(投資と投資教育のコンサルティング会社)と複数の肩書を持つ。三菱商事、野村投資信託、住友信託銀行、メリルリンチ証券など計12回の転職経験を生かし、お金の運用、経済一般、転職と自己啓発などの分野で活動中。著書に『超簡単 お金の運用術』(朝日新聞出版)『「投資バカ」につける薬』(講談社)『お金がふえるシンプルな考え方』(ダイヤモンド社)など著書多数。馬券戦略は馬連が基本。【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします。

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