岸田政権の「奇妙な安定性」を支える2つの要因 「アメリカ子会社の社長」を「愚民」が支える構図

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奇妙に安定してきた岸田政権。問題のある政策も多いし、不祥事も決して少なくない。なのに支持率が落ちないのはなぜなのか(写真:ブルームバーグ)

筆者は最近近づいていないが、東京の新橋は「オヤジ・インタビューの聖地」である。駅からすぐのSL広場あたりを無目的にぶらぶら歩いていると、報道機関のカメラクルーに声をかけられるかもしれない。

街頭インタビューで電気代の話になったらどう答える?

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

報道「ちょっと、いいですか。最近の物価についてどう思われますか」

山崎「上がっているね。こんな店でもと思うようなところも含めて、あちこちで値上げしている」

報道「生活にいちばん影響を感じるのは、何の値上げでしょうか」

山崎「それは、電気料金だね。金額が大きいから」

ここまでなら、通行人の言葉として、何秒かテレビ画面に映るかもしれない。電気料金は旬の話題だ。6月1日から、全国の複数の電力会社で電気料金が値上げされた。地域によって差はあるが、いずれも大幅だ。

だが、次のやり取りがあると、きっと放送されないだろう。

報道「政府には、何を望みますか」

山崎「電気料金を自然に任せてもっと上げることだね。だって、理由があって上がっているのだから」

街頭インタビューは、インタビューする側の期待と理解に合わせて行われて、採否が決定する。そもそもニュースに使う価値などない。ただの演出であり、時には情報操作に使われている疑いさえある。クルーが期待していない、あるいは理解できない答えは採用されない。

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