岸田文雄首相が掲げた「新しい資本主義」は、そもそも本人の理解と問題設定が悪く、案の定、検討ばかりを重ねて議論がサッパリ前に進んでいない。
NISAの改正は「新しい資本主義」唯一の収穫
だが、岸田首相が新しい資本主義に関連して、ふと発したと思われる「資産所得倍増計画」という言葉を具体化する必要性に端を発したNISA(少額投資非課税制度)の改正は、実質を伴ったなかなか見所のあるものに仕上がった。
制度の使い勝手と、規模、即ち税制上優遇される資産運用額の枠は、庶民レベルで考えるとすると、ほぼ「満額回答」と評価していいものに仕上がった。「新しい資本主義」の取り組みの、今のところ唯一と言っていい具体的成果だろう。
日頃、金融行政に対して辛口気味の筆者としては、「珍しく甘い評価だ」と言われるのかもしれないが、良いものは良いと素直に褒めることも大事だろう。
とは言え、個人がこの制度をうまく使いこなすには少々コツが要るし、落とし穴に嵌まりかねない注意点もある。今回は、2024年から施行される「新しいNISA」の最速(に近い)の使い方ガイドをお届けしよう。
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